SR400は旅バイクとしてどうなのか?4万7,000km走った経験から解説する

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ヤマハSR400。

「バイクに興味のある人なら知らない人はいない」と言っても過言ではない、バイク史に名を残す名車です。基本的な車体構成は変えずに40年以上にわたって生産されたロングセラーであることや、エンジン始動方式がキックのみであることなども有名でしょう。

その魅力はさまざまなメディア・ブログなどで語り尽くされているので、MOTO-LOGUE編集部としては「ツーリングバイクとしてどうなのか?」について考えてみたいと思います。

実際に筆者(MOTO-LOGUE編集長・齋藤)の体験談をベースに紹介しますので、「SRに興味がある」「ツーリングでもガンガン使ってみたい」と思っている方の参考になれば幸いです。

MOTO-LOGUE編集長のSR400を紹介

僕の愛車は、2003年式SR400

ヤマハ公式サイトより引用

  • 全長×全幅×全高:2,085×750×1,105(mm)
  • 軸間距離:1,410mm
  • シート高:790mm
  • 乾燥重量:152kg
  • エンジン型式:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
  • 排気量:399cm³
  • 最高出力:27ps/7,000rpm
  • 最大トルク:3.0kgf・m/6,500rpm
  • 燃料タンク容量:12L
  • タイヤサイズ:F=90/100-18・R=100/90-18
  • 発売当時新車価格:46万円(税抜)

僕がこのバイクを手に入れたのは2018年のことで、とあるバイクショップでオドメーターが1万8,000km程度回っていた中古車を見つけ購入しました。

それ以来、ちょっとした街中の移動からロングツーリングまで幅広く使用中。現在のオドメーターは6万5,000kmほどなので、自分では4万7,000kmほど走ったことになります。

メーターの写真

この4万7,000kmの旅路の中で感じたことを、いくつかのテーマごとに書いていきます。

ロングツーリングではどうなのか?

SRのような車格のバイクが、街乗りで便利なのは言うまでもないでしょう。

では、自分の住んでいるところとは違う地方まで行くようなロングツーリングは無理なのか…?というと、もちろんそんなことはありません。

僕は神奈川県在住ですが、このSRで東北・南紀・能登などに遠征したことがあります

リヤシートに数泊分の荷物を満載し、高速道路を走って現地にアクセスし、そのエリアのツーリングを楽しむ…といったことも十分に可能です。

秋田県と岩手県の県境
秋田県と岩手県にまたがる高原地帯・八幡平(はちまんたい)。県境の見返峠にて
和歌山県の橋杭岩
和歌山県・橋杭岩。沖に向かって大小40余りの岩柱が立つ景勝地
能登・黒島漁港
石川県輪島市・黒島漁港。能登半島地震で大きく隆起し、海岸線が大きく移動している

高速道路について

では、そういった高速道路を長距離移動する際はどうなのかというと…。さすがに「SRの得意フィールド!」とは言えないでしょう。

あくまで僕の経験ベースの話ではありますが「高速道路で1日に移動できる距離」としては最大でも400~500kmくらいと見ておいた方がいいと思っています。

やはり空冷単気筒・27psのバイクなので、高回転まで回し続けると振動による疲労がかなり蓄積します。パーキングエリア・サービスエリアでの休憩を挟みながら向かうことになるので、400~500kmくらいの距離が最大値になるのではないでしょうか。

もしかしたら世の中には「SRで1日1,000km走ったぜ」みたいな人もいるかもしれませんが…。それはもう「特殊な訓練を積んでいます」という注釈が必要になるレベルかと思います。

ちなみに高速道路では基本的に左車線が定位置になりますが、たまに追い越し車線を使うことは十分に可能です。

例えば新東名の120km/h区間において、120km/h巡航ができるくらいのパワー感はあります。

新東名での走行シーン

ただ、その120km/hはSRにとって「かなり頑張って出している120km/h」であり、ビッグバイクのような快適空間ではありません。

長時間その状態をキープするのは疲労度が大きいので、基本的には走行車線の流れに乗っていくのが正解だと思います。

ETCも装着可能

当然ながら、ノーマルのSRにはETCが装備されていません(2003年式が登場した当時はバイク用ETC自体が存在していませんでした)

SR400には「シート下の収納スペース」といったものがないのでETC装着は少々特殊になりますが、装着可能です。

僕はワイズギアのSR400専用ブラケットを使ってETCを装着しています。

ちなみに大型バイク用品店(2りんかん)にて、ワイズギアのブラケットを注文し、ETC装着まで合わせて依頼し作業してもらいました。

ETCは、僕のように高速道路をよく使うライダーには必須ですね。

積載性について

SRの積載性は良好です。

シートがフラットなことに加えてグラブバーもあるので、シートバッグを装着する際にベルト類の「かけどころ」に困りません

また、サイドバッグ(サドルバッグ)との相性も悪くありません。

フル積載状態の写真

上の写真は、シート後部にTANAXのキャンピングシートバッグ2、左右にDAYTONAのサドルバッグを装着した状態です。

ちなみにDAYTONAからはサドルバッグサポート(バッグの巻き込みを防ぐパーツ)も販売されているので、不安なく固定することが可能です。

これだけの積載量が確保できれば、問題なくロングツーリングが可能と言っていいでしょう。別途リヤキャリアなどを装着すれば、さらに積載性をアップすることも可能です。

キャンプツーリングではどうなのか?

すでにお伝えしたとおりSR400の積載性は良好なので、キャンプツーリングも可能です。

これまでにSRでキャンプに行った回数をカウントはしていませんが、おそらく40泊くらいはしているのではないか…と思います。

ふもとっぱらキャンプ場
静岡県:ふもとっぱらキャンプ場
浩庵キャンプ場
山梨県:浩庵キャンプ場(テント村)
荒船パノラマキャンプフィールド
長野県:荒船パノラマキャンプフィールド

キャンプ場はアクセスルートがダートだったりすることもありますが、SRは足つき性もいいし車体も軽いので(荷物分の重量は加算されますが…)、未舗装路でもさほど怖くないのがありがたいところです。

写真のように、大型シートバッグ×1、サイドバッグ×2の積載量があれば、キャンプ時間を快適に過ごすための道具類はすべて持っていくことができます

ただ「リヤキャリアがあった方がさらに余裕が出ていいだろうな」と思ったことはあります。

本格的な焚き火や凝った料理をしたいとか、オシャレなアイテムを持っていきたいといった人の場合は、さらにリヤキャリアを装着するといいでしょう。

燃費・航続距離はどうなのか?

ツーリングライダーにとって、燃費と航続距離は気になる要素ではないでしょうか。

結論からいうと、燃費は「良いときは30km/L台に乗るけど、おおむね25~28km/Lくらい」といった感じです(あくまで僕の車両の場合ですが)

キャンプ道具をフル積載にして、高速道路でちょっとアクセル明け気味だったかもな…という場合は23km/Lくらいまで悪化することもありますが、おおむねそのレンジ内です。

SR400の燃料タンク容量は12Lで、メインタンク分は10L程度と言われています。

つまりリッター23kmで計算すると、メインタンク分での航続距離は230km。このくらいの航続距離があれば、ツーリングにおいて不便になることは少ないのではないでしょうか。

もちろん、リザーブ分まで含めれば280kmくらいまでは走れるのかもしれませんが、僕はあまりギリギリまで攻めたくはないので200km程度で給油しています(ちなみにSRには燃料計がないのでトリップメーターが目安となります

繰り返しになりますが、ここで紹介してる数値はあくまでも「僕の愛車の場合」です。

車両のコンディションや走り方などではもっと良い場合、あるいは悪い場合もあると思うので、その点だけご注意ください。

消耗品の交換コスト・交換サイクルはどうなのか?

ガンガン走るツーリングライダーにとっては、消耗品のコストも気になるところですよね。そこで、消耗品の代表であるタイヤとエンジンオイルについて解説します。

タイヤ:筆者はIRC・GS19を使用

SR400が標準装備しているタイヤはメッツラーなのですが、その他にも選択肢がいくつかあります(以下は代表例)

  • メッツラー:ME11(F)/ME77(R)
  • ダンロップ:TT100GP
  • IRC:GS19
  • ブリヂストン:ACCOLADE

現在、僕が装着しているのはIRCのGS19です。

GS19のフロント
GS19のフロント用(90/100-18)
GS19のリヤ
GS19のリヤ用(110/90-18)

選択肢のタイヤをすべて履いて比較検証したわけではありませんが、このタイヤのライフにもグリップにも大きな不満はなく、パターンもなかなかカッコいいと思っているので、僕はこれを選び続けています。

ライフとしては、おおむね1万7,000kmくらい。

僕がキャンプとかに行かなければ(重量物を積まなければ)2万kmくらいもつのかもしれませんが、まぁこのくらい走ってくれれば僕としては十分です。

前回交換したのは2024年で、そのときの値段はフロント8,800円、リヤ1万2,650円でした。

ダンロップのTT100GPもパターンがカッコよくて好きなのですが、値段で比べるとGS19の方がコスパがいいですね。

ちなみに2りんかんで前後のタイヤ・チューブ・リムバンドを交換し、工賃込みでかかった総額は3万9,270円でした(2024年時)。もちろん安い出費ではありませんが、ビッグバイクに比べたらSRはまだ消耗品がリーズナブルといえるでしょう。

エンジンオイル:筆者はワコーズ・プロステージSを使用

エンジンオイルを自分で交換する人も多いとは思いますが、SRのエンジンオイル量は「2.1L(フィルター交換時)」と、非常に微妙な量となっています。

つまり1Lのオイル缶を2本買っても0.1L足りないので、3本買う必要があるわけです。

余った0.9Lのオイルを次回まで保存していて劣化しないだろうか…などモヤモヤしたくないので、僕はもうオイル交換もショップにお任せで、2りんかんの量り売りを利用しています。

選んでいるのは、ワコーズのプロステージS。100%化学合成油です。

5,000kmを目安にフィルターもセットで交換しており、前回交換時のレシートを見てみると…お値段は総額で7,330円でした(工賃は2りんかんのオイル会員期間内だったので無料)

これもまた安い出費ではないものの、ビッグバイクに比べれば…といった感じでしょうか。

ツーリング写真としての「映え」はどうなのか?

ここまで「SR400は旅バイクとしてどうなのか?」というテーマで、いろいろな要素について紹介してきましたが、最後に取り上げたいのは完全に「独断と偏見」に基づくものです。

ツーリングに行って、「愛車と風景の写真を撮るのが好き」という人は多いことでしょう。

すべてのライダーは「自分の愛車が一番カッコいい!」と思っているものなので、その意味でいえば車種を問わずすべてのバイクは「映え」ます

そんな大前提があるうえで、あえて言うなら、SRは日本の風景によくなじむデザインだというのもポイントだと思っています。

自然や町並み、いろいろな風景の中で絵になる。

ツーリングをしていると、しょっちゅうカメラを取り出したくなる、SRにはそんな魅力があると思っています。

足柄峠
静岡県御殿場市:足柄峠
田沢湖の風景
秋田県仙北市:田沢湖
静岡県伊豆市:西伊豆スカイライン
東京都檜原村:数馬分校記念館
島田宿
静岡県島田市:大井川川越遺跡
茨城県阿見町:予科練記念館

僕もこれまでいろいろとツーリングをしてきましたが、旅先ではついつい「愛車と風景」の写真を撮ってしまいますし、そのたびに「SRのデザインはいい…」と感じます

もしも、写真を撮るのが好きという人がSRを選んだ場合、旅先ではその趣味を大いに楽しむことができることでしょう。

まとめ

以上、誰もが知ってる(?)SR400を、あえてツーリングという観点だけに絞って分析してみました。

総じて「SRはツーリングにも最適!」と言えると思いますし、自分のペースで走ることができるソロツーリングなら、なおさら最適なのではないでしょうか。

40年以上に渡って続いてきたSRの歴史はすでに途絶えており、現在は新車で購入することができないバイクではありますが、中古車市場にタマ数は多いかと思います。

ここまで読んでくれた「SRが欲しい」と思っているすべての方に、いいめぐり逢いがあることを願っております。

執筆者

齋藤直人

1975年(昭和50年)生まれ・編集者・MOTO-LOGUE編集長。
大学卒業後バイク雑誌出版社に入社して以来、数々のバイク誌の編集に携わり、計4誌の編集長を歴任する(編集者歴は25年以上)
現在は紙・Web・YouTubeなど表現の媒体を問わず創作活動の場を広げており、バイク業界以外でも積極的に活動中。愛車はSR400

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