イタリアのライディングブーツブランド、ガエルネ。
ガエルネのラインナップの中で、もっともトラディショナルなブーツが「No.145」です。
公式サイトの説明を読むと、このNo.145というブーツには『登山靴のノウハウがぎっしり』詰まっているそうで、筆者(MOTO-LOGUE編集長・齋藤)はライディング兼トレッキングという用途でもけっこう使っています。
例えばツーリングで「駐車場から小一時間ほど山歩きをしたところに絶景スポットがある」といった場合も、山歩きをして見に行くことはよくあります。
ちょっとしたトレッキングから、低山登山レベルまで不安なく歩けてしまうので、やはりこのブーツには登山靴のノウハウが詰め込まれているのでしょう。
…ということで!
僕はこのブーツを、もうちょい登山靴寄りに使ってみたくなりまして…。
この記事では「No.145で富士山に登ってみた!」という検証企画の実録レポートをお届けしようと思います。
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登山口~新七合目
富士山には4つの登山ルートがありますが、今回利用したのは富士宮ルート。4つの中でもっとも距離が短く、日帰りでの登頂も可能です。

とはいえ距離は片道4.3km。登り約5時間・下り約3時間の道のりなので、なかなかハードです。
しかも富士宮ルートは、距離が短い分だけ急登となり、登山道は基本的に岩場です。こういったルートで、はたしてNo.145はどの程度頼りになるのでしょうか…。
まずは、富士山スカイラインの途中にある「水ヶ塚公園」へ。登山シーズン中はマイカー規制が敷かれているので、登山口(五合目)まではシャトルバスで向かいます。

シャトルバスにしばし揺られて、登山口のある五合目へ。この時点で、すでに標高は2,400mあります。一気に2,000m超えの世界にやってきてしまったので、いきなり登り始めるのではなく、しばし体を順応させるために待機するのがセオリーです。

しばし待機した後「よし行くか!」と気合いを入れて登山開始。
とはいえ、ゆっくりゆっくり。登りはじめなので元気十分ですが、とにかく体力温存で登っていきます。そして…登りはじめから1時間30分ほどで「新七合目(標高2,780m)」到着。


元祖七合目~九合五勺
そして「新七合目」から50分ほど登っていくと…「元祖七合目(標高3,010m)」に到着します。
「七合目の次は八合目だな」と思っていると再び七合目(元祖七合目)が現れるので、ちょっと心折られるネーミングではあります。

そこから40分ほど登ると八合目(標高3,250m)に到着。日本で二番目に高い山である北岳の標高が3,193mなので、八合目の時点でもう日本二位を超えてるんですよね…。
そして八合目から30分ほど登って、九合目(標高3,460m)に到着。
僕としてはもう、空気の薄さを実感しています。息を吸っても、入ってくる空気の量が少ない感じがしてしんどい…。

ですが、九合目まで来たならもちろん、頂上を目指すしかない!
ということで気合いを入れて登り始め…次に到達したのは頂上、ではなく再びワンクッション挟むことになります。
九合目と頂上の間に「九合五勺」があります(標高3,590m)。※「勺」は「しゃく」と読む
「九合目の次はもう頂上だろ!」と思ってると再び心を折られるのですが、とはいえ標高も高いので、このくらいの間隔で休憩を挟んでいった方がいいのかもしれません。


そして頂上へ…!
九合五勺の山小屋から、ハァハァと大きく息をしながら登り続け…。
とうとう、頂上に到着!
いやー、登れた! 登れたよ!!

ここまで登ってこられただけでも十分満足ではあるのですが、せっかくならば本当の頂上(標高3,776m地点)である剣ヶ峰まで行きたい!ということで、さらにもうひと頑張りしました。



それにしても、ここまで登ってこられて本当に良かった。感動と安堵とが入り混じって、少し目が潤むような場面もありました。
剣ヶ峰から見た青空がとてもきれいで、忘れがたい思い出になりました…!
下山~振り返り
山頂でしばし感動に浸りましたが、当然ながら、登山というのは登って終わりではありません。
下山のない登山はないわけですから、あとはひたすら「来た道を下りていく」という行程が必要になるのですが…。
これがまぁ、とんでもなくキツかった…!
そもそも登山の時点でかなり体力を削られていたので、下山時には疲労で泣きそうになるほど。五合目まで戻ってきたときには、「ああ…戻ってこられて良かった…」という別の感動がありました。
今回の振り返り
というわけで、ガエルネNo.145での富士登山はひとまず成功だったのですが…。
登山を終えてみるとやはり「好条件だったからこその成功だったよな」とも思ったので、そのあたりも含め振り返りを書いていきたいと思います。
天候に助けられたところも大きい
写真を見てもらえればわかるとおり、今回の登山は天気が最高。風もほとんどなく、雨には一滴も降られませんでした。
登頂に成功できたのは、この天候の恩恵も大きいと思います。
もちろん「天気が良さそうな日を見計らって出かける」というのは登山において非常に重要なことかもしれませんが、山では天候の急変もよく起こります。
気象条件が悪くなったときは、装備の性能が活きてくると思います。
最新型の登山靴は防水性の高いゴアテックスが採用されていますが、No.145はそうではありません。もしも天候が悪かったら、結果は違っていた可能性もあります。
重量はやっぱりネックに感じる
今回のように1日中歩くと感じますが、やはりNo.145は重い靴です。
その重さや頑丈さが心強い場面もあるかとは思いますが(昔の登山靴はみんな重かったですし…)最近の登山靴は軽さと丈夫さを併せ持っているので、それに比べるとハンデになるなと感じました。
帰り道はかなり疲労度が大きくしんどい道のりでしたが、軽い靴ならもう少し体力的に余裕があったのかもしれません。
ソックスやインソールは工夫の余地あり
今回、ガチ登山に使ってみて「靴下やインソールをもっと工夫すれば良かったかも」と思いました。
もともと僕はガエルネの「ハイグレードインソール」という中敷きを入れているのですが、ガンガン歩くには改善余地があったかも…と思います。
登山用のインソールに変えたり、登山用のソックスを履いたりすることで、疲労度は改善できたかもしれません。
カカトに靴擦れは発生
これまでNo.145で山道を歩くことは何度もありましたが、今回はガチ登山だったからか、左足のカカトに靴擦れができました。
これも、もしかしたら靴下やインソールで防げたのかもしれません。
あるいは、あらかじめ靴擦れ防止のテープなどを貼っておけば良かったのかもしれませんが…。「そもそも専用の登山靴を使えよ」という話ですね。
ブーツも傷だらけに…
今回は一日中、富士山の岩場を歩いたので、当然といえば当然ですが…。ブーツにはかなりキズがついてしまいました。
帰ってきてから汚れを落とし、オイルを塗ったのですが…。ここまで強くこすれたキズは隠しようもありませんね。


「ライディングブーツのキズは思い出」だと思ってはいるのですが、当然ながらキズがつくこと自体を歓迎しているわけではないし…。
ちょっと心が痛みます。
とはいえ、やはりビブラムソールは心強い

今回の登山に臨むにあたりソールを新品に張り替えていたので、ソールに関しては絶大なる信頼を置いていました。
伝統的なパターンのビブラムソールは富士山の砂利道でもしっかりグリップしてくれましたし、今回の登山が成功したのはソールの恩恵も大きいだろうなと思います。
まとめ
というわけで…「さまざまな条件が揃っていれば」という但し書きがつきますが、No.145は登山靴としてもそれなりに使えるという印象でした。
ただ、繰り返しになりますが登山には登山専用のシューズ・ブーツを使うことが最適なのは言うまでもありません(今後、今回のような本格的登山に使うことはないと思います)
あくまでもツーリング先でちょっとしたトレッキングをするというレベルなら十分に使える、という話ですので、誤解のないようにお願いいたします。
そして今回のレポートが、No.145が気になっている人の参考になれば幸いです。
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